本間美術館所蔵作品データベース

明治28年（1895）3月4日の牛荘作戦のために行われた騎兵隊の斥候（敵の状況を偵察すること）の様子を描いたものだと思われます。小林清親は、多数の戦争絵を制作しているが、報道性よりも豊かな叙情性をたたえた作品が多く、本図は清親の叙情的戦争絵の代表的な作例です。
小林清親（1847～1915）は、月岡芳年・豊原国周とともに明治時代を代表する浮世絵師で、イギリス人のワーグマンに洋画を学んだともいわれています。西洋画の光と影の空間表現を取り入れた「光線画」と呼ばれる風景画シリーズ《東京名所図》を発表して広く知られるようになり、花鳥画、静物画、歴史画、風刺画などを描きました。